2016年1月9日『沖縄タイムス』に「猫の画家藤田嗣治 犬も好き」というのがあった。前に麦生(末吉安恭)が猫にふれた随筆を紹介したから今度は犬について紹介する。
1919年4月『日本及日本人』麦生(末吉安恭)□無筆の犬ー無筆の犬といふ話は早く醒唾笑(元和9年)①に出づ。曰く「人喰ひ犬のある処へは何とも行かれぬなど語るに、さる事あり、虎といふ字を手の内に書いて見すれば、喰はぬと教ゆる。後犬を見、虎といふ字を書きすまし、手をひろげ見せけるが、何の詮もなく、ほかと喰ふたり。悲く思ひ、或僧に語りければ、推したり、其犬は一圓文盲にあったものよ」云々。

①醒睡笑(せいすいしょう)は庶民の間に広く流行した話を集めた笑話集。著者は茶人や文人としても知られる京(京都)の僧侶、安楽庵策伝。8巻1,039話の話を収録している。「眠りを覚まして笑う」の意味で『醒睡笑』と命名された。この命名時点を完成とみて1623年(元和9年)成立とする資料と、後述の板倉重宗への献呈と奥書の付与の時点を完成と見て1628年(寛永5年)成立とする資料とがある。「醒酔笑」と記す資料もあるが正当ではない。→ウィキペディア

1919年4月『日本及日本人』麦生(末吉安恭)□犬面冠者ー海東繹史六十一②に「又漸州人○人、被処入倭、親見秀吉、左○有黒○数点、面○犬形、約60余、止一子方三歳」云々、鮮人の眼に映じた秀吉は犬面冠者なるが如し。犬にせよ猿にせよ五十歩百歩、秀吉の面貌の醜に近かりしことは想像が」つく。

かいとうえきし【海東繹史】
朝鮮,李朝の学者韓致奫(かんちえん)(1765‐1814)が中国,日本の書籍545部から朝鮮関係記事を集めて編纂した書籍。70巻26冊。東夷諸国と檀君時代から高麗までの歴史を述べた〈世紀〉をはじめ,全体を17の志・考に分け,引用文に考証と見解が加えてあり,正祖時代の実学派の一大成果といわれる。続編に,韓致奫の遺稿を彼のおい韓鎮書が編纂した《地理考》15巻があり,地理研究資料として評価が高い。→コトバンク