大阪の岸政彦氏から『同化と他者化ー戦後沖縄の本土就職者たち』(ナカニシヤ出版)が贈られてきた。本書に10年前、私と出会ったことも書いてある。一見し佐野眞一『沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史』が頭に浮かんだ。佐野は言う「物事を『説く』には『大文字』言葉が便利だが、物事を『語る』には『小文字』言葉を身につけなければならない。『語って説かず』。それがノンフィクションの最大の要諦だ。」と強調。
 岸氏も「本土就職者たち」への聞き取り調査で得た、その生活史を本書で語らせていて説得力がある。私もかつて1964年白雲丸で「集団就職」の一員として上京した経験がある。その生活史は『沖縄を深く知る事典』(日外アソシエーツ)に収録してある。本書が「大城勲少年」を取り上げ紹介したのも意義深いものがある。欲を言えば、「本土就職者たち」の同世代の留学生たちの生活史についても調査し研究テーマを完成してもらいたい。


2019年9月8日『しんぶん赤旗 日曜版』「新作『図書室』中編小説と自伝エッセー/社会学者 岸政彦さん」

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2003年2月 『沖縄を深く知る事典』(日外アソシエーツ)新城栄徳「ヤマト風のスタイルへのなじみ方ー系列化ー」

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