1987年7月 大城立裕『私の仏教平和論ー戦争を抑止する英知をもとめて』佼成出版社
○教科書については、文部省の検定姿勢に見られるように愛国心の涵養を過度に意識することを警めなければならない。今日愛国心のことを熱心に説く側が、国民の現状に何を恐れてているのかは、かならずしも明瞭でないが、国防の危機に備えてのことであるとすれば、それこそ危険であろう。
○国家秘密保護法も、不安を先取りしての企画である。その不安が絶対にないとは言えないだろうが、私がいま心配しているのは、法律が成立したあとひとり歩きすることである。そのとき運用者の支配欲に迎えられて、横暴をはたらく恐れがある。今日のように情報を盗む技術が発達し、加えて管理されることに抵抗を失っている時代には、とくにその恐れが大きい。