1998年6月15日 『月刊ぶくぶく』新城栄徳「与座弘晴について再び」


2003年5月 城間自治会『与座弘晴の世界』/1987年 不二出版『日本読書新聞』復刻

  
1936年11月 内田鐵洲『動ぜざる信念の書』指南社/1937年5月 仲宗根源和『空手の話』指南社(榕樹書林復刻)

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写真ー与座弘晴

1999年3月24日『琉球新報』
浦添市「城間字誌」編集で発掘/昭和初期/国内出版界で活躍/城間出身の故与座弘晴氏/記者の入門書も著す
【浦添】昭和初期、東京で書評紙「読書新聞」や「新聞雑誌編集者・記者の基礎知識」など多くの本を著した浦添市城間出身者のいたことが「城間字誌」編集調査の過程で、23日までに明らかになった。これらの本が世に出たのは1930年から39年まで。字史関係者らは「出版の分野で偉大な県出身者がいたことが明るみに出た。沖縄近代史を補完する意味でも貴重な発見」と話している。本は同字公民館の「文庫コーナ」(仮称)で市民に公開される予定だ。
その人は、故・与座弘晴(旧名・正仁)氏。1898年に城間に生まれ、沖縄県師範学校を卒業し、具志頭小学校、浦添尋常高等小学校の教諭を経て、さらに学問、見聞を広めるために上京して早稲田大学に入学した。1930年に東京で「読書新聞」を発刊。安定した紙面と内容で書評専門紙として、当時の三大書評紙の一角を飾った。
城間字史編集にかかわっている浦添市中央公民館の又吉盛清館長と比嘉武宏自治会長が国立国会図書館で調査する中で明らかになった。
今回、与座氏がかかわった「日本読書新聞」(「読書新聞」が前身)など27冊のうち、15冊を複写で収集。うち11冊は本人が著したもので、与座氏の思考、人生論、新聞・雑誌・書籍発刊の入門書に大別される。特に入門書には「新聞雑誌編集者・記者の基礎知識」「新聞雑誌書籍出版と経営の実際知識」などあり、又吉さんらは「あの当時、ジャーナリストや出版編集者を育成する第一人者の地位にあったと思われる」と話している。
また、同字誌編集委員会の津波清事務局長らも「こうした出版関係者は、研究からこぼれることが少なくない。沖縄近代史を補完する意味でも貴重な調査結果になった」と話し、与座氏の15冊は製本し、市民、県民に広く公開する予定だ。