05/21: 世相ジャパン㉛/2011~2012 岡留安則の「東京-沖縄-アジア」幻視行日記
『噂の真相』を糾弾する右翼結社
屋良朝博氏、 岡留安則氏、
2011年1月 メディア総合研究所『放送レポート』「普天間報道 なぜ違う?沖縄と東京」大月書店
2011□岡留安則の「東京-沖縄-アジア」幻視行日記 今回の大震災と原発事故はさまざまな出来事を核爆発のように吹き飛ばした。東北3県の地デジ延期からTPP,子供手当、高速道路無料化、メビン・ケア差別発言事件・・・・。東北の被災でJTの工場やトヨタの工場などが被災し,たばこ不足、部品不足による車の生産台数の削減。大手製紙会社の被災による紙とインク不足による新聞や週刊誌などの減ページ措置などにより社会生活にも多大な影響を与えつつある。小沢擁護や記者クラブ批判もやったリベラル過激な「週刊朝日」の山口一臣編集長もとばされ、同誌じたいの休刊も囁かれている。何よりも、外国人からの102万円の献金を受け取って内閣総辞職に追い込まれる寸前だった菅総理退陣も吹っ飛んだ。これぞ、最大の不幸かもしれない。
また、朝のTBSワイドショー「はなまるマーケット」でおなじみの薬丸裕英・岡江久美子コンビも、原発PR推進組(中部電力)に出たことも知らんぷりでテレビに出ずっぱり。北村晴夫弁護士、勝間和代らもそうだ。調べればB・C級戦犯は他にもいっぱいいるはずだ。こうした連中は、この原発危機の中で反省も自粛もなし。視聴者はシラケるばかり。それでいいのかい,テレビ局よ!! それはともかく「ウチナー・パワー」という新刊が出た。サブタイトルには「沖縄 回帰と再生」とある。天空企画編集でコモンズというという出版社から出た本だが、なぜか筆者が表紙の帯に100時程度の推薦文を書いているので、紹介だけしておこう。「多彩な書き手が琉球を論じる掘り出しものの逸品本だ!沖縄再生のヒントがあちこちで発見できる楽しさも満載。 岡留安則元「噂の真相」編集長(沖縄在住)」。たまたま出合った沖縄本を数多く編集している智内好文氏に頼まれたものだ。
15人くらいのライターたちが寄稿しているが、保坂展人氏も沖縄との出会いから今日までを「ニライカナイ・クロニクル」という題で書いており、小林よしのり派の宮城能彦教授も「村落共同体としての共同売店」について書いている。個人的に面白かったのは永峰眞名氏の「郷土月刊誌『青い海』のころ」だ。<沖縄に来て知った雑誌だが、なかなかウワシン的要素もあり、スコブル面白い。東京ならともかく、沖縄で採算ベースに乗る本を作るのがいかに難しいかと言う意味でも大いに参考になった記事だった。
沖縄関連の振興予算は2900億円で決まった。当初の一括交付金3000億円よりも減額されたものの、大幅アップとなった。だが、沖縄県民にすれば、予算増額を手放しで喜べる状況ではない。仲井真知事が東京で民主党幹部や閣僚クラスと極秘の会談を続けた結果がこれだったのか、と思わざるを得ない。辺野古移設のための環境アセスを防衛省が進めることに対してもあっさり容認した。アセスの権限は防衛省にあるのは間違いないが、「県民の意志はアセス提出に反対である」ことを強く明言すべきだったし、振興予算と基地問題はリンクさせないという強固な意志を示すべきだったが、それもふにゃふにゃ。沖縄予算に関しては前原政調会長の陰謀臭いが、そうだとすればタチが悪すぎる。仲井真知事が振興予算と引き換えに辺野古建設容認をやるのではないかと勘繰りたくなる。少なくとも東日本大震災の復興予算じたいが厳しい中で、沖縄だけ特別視することのひとつが基地対策である事は間違いないろう。北部振興予算も20億円削られたが、50億円は認められた。いまだに、前原が建前上否定するアメとムチの政策は強固に存在しているのは明らかである。ケビン・メアではないが、やはり、たかりの名人なのか。
米国が東芝の子会社を使って原発を30年ぶりに建設するという。福島第一原発は米国のGEである。脱原発は完全無視なのか。オバマ大統領も碌な人物でしかないことがバレバレだ。来年は、北朝鮮、中国、ロシアも政権交代を迎える。日本も未熟な政権の元で先の見えないまま、非常事態に突入するつもりなのか。それでいいのか、ニッポン、チャチャチャ!!
□< 2012年3月11日 日テレ21>
東日本大震災の発生から11日で1年がたった。死亡した人の数は1万6000人近くに上っている。
警察庁によると、11日現在、震災による死者は計1万5854人となった。最も多いのは宮城県の9512人、次いで岩手県の4671人、福島県の1605人などとなっている。 行方がわからない人は宮城県が1688人、岩手県で1249人、福島県で214人など、計3155人となっている。死者と行方不明者は、計1万9009人となった。この死者と行方不明者、オキナワ戦没者、最初のヒロシマ・ナガサキの被爆者の霊魂(あるとすれば)は自分らの死が後世どう扱われているか気にする筈だが・・・。少なくとも今のゴミ扱いされている状況に対しては、財界・政治屋に「祟り」がないとおかしいと思う。
岡留氏が小沢無罪の判決に素早く対応し、氏のブログに□待ちに待った小沢一郎公判で無罪判決が下った。権力の横暴を批判してきた小沢氏の正義が認められたことは、東京地検特捜部と10年裁判を闘った筆者としてもうれしい限りだ。恣意的な国策捜査を仕掛けた検察の完敗であり、検察審査会の不透明なやり方も今後は大いに問題になるだろう。検察というこの国の正義の砦は、いまや腐りきっているというのが、筆者の見立てだ。検察の大改革を主張してきた小沢氏の無罪判決で大慌てなのは、反小沢で固めた民主党野田執行部、霞が関官僚、自民党以下の野党、財界、大手メディア、米国政府だろう。
(略)
驚いたのは在日米軍再編の新たな共同発表が延期された時の野田政権の対応だ。米国上院議員の軍事委員長であるレビン軍事委員長らが、共同声明に待ったをかけたのは、環境問題や費用の問題がクリアーになっていないことがその理由だった。実に真っ当だ。ところが、日本政府は、予定通りの方針で行くと早々と明言。本来ならば、日本が米国政府にクレームをつけるのが筋だろう。29日の野田訪米のパフォーマンスが何よりも第一なのだ。オスプレイをどうするつもりだ!!やはりここは、メディアを含めて既得権益体制の総スカンを食うかも知れないが、日本の防衛は米国第七艦隊で十分という基本的姿勢をもっている小沢一郎の出番ではないか。筆者は自信をもってそう断言したい。とある。
小沢氏に対してはアレルギーを持っているが、ま、裏事情に精通している岡留氏のことだから根拠があってのことだろう。ここで歴代政権の沖縄に対する考え方、とくに初期の吉田茂を見てみる。1952年8月発行の東京『沖縄新報』(永岡智太郎)第16号に「去る6月6日、本土視察のため上京中の那覇市長又吉康和氏と吉田首相との会見の際『日本はまだ受入れ態勢が出来ていないからすぐに復帰ということは困る。今まで通り米国に協力して辛抱して貰いたい、米国に見離されてソ連が入って来たらどうするのか』という全琉百万同胞の悲願をふみにじった吉田首相の暴言」とある。私も積年の反米感情でどうも批判の対象をアメリカに向けてきたが、どうやら時の日本政府の「沖縄差別」が大きな問題のようである。それを許した沖縄側にも当然問題がある。それに関連して『琉球新報』に連載されている伊佐真一氏の伊波普猷批判が参考になる。
宜野湾市長選挙で話題になった真部沖縄防衛局長が沖縄の新聞でなにやら記事になっていた。米軍の兵隊には選挙権が当然ながら無いが、自衛隊員にはあるから相当罪深い。最近は与那国島にも自衛隊員が居る、創価学会票と同じく、自衛隊票は石垣パクリ市長などの票にもなっている。基地反対と言いながら安保には触れない首長が増える元となっている。基地問題に触れながらその元の安保に触れないのは大手メディアも同じだ。
2012年4月26日の所感
本日はひよりの誕生日、1歳である。昼、沖縄大学により宮城先生紹介で大学図書館に『青い海』創刊号と、沖縄関係資料室が載っている10号を寄贈する。帰途、那覇市歴史博物館によって、5時から久茂地・抱瓶の高橋淳子さんのお別れ会に参加。壁には淳子さんの写真が所狭しと貼られていた。アルバムには喜屋武真栄氏や西平守良さん、喜納昌吉、大田昌秀、具志堅用高、新城亘、儀間比呂志、ひさみ夫妻の諸氏らが淳子さんと収まっているのもある。私は1973年頃、高円寺・球陽書房の西平守良さんに近くの「きよ香」に連れていかれそこで淳子さんを知る。知るといってもそれが最初で最後の出会いであった。会場の抱瓶にはひさみ夫妻らが居られた。1時間半ごろ経って大田昌秀氏、岡留安則氏や沖縄大学のO教授、S氏らが参加し故人が好きだった民謡で追悼した。しばし大田氏、岡留氏と懇談する。岡留氏に東郷健の消息を尋ねた。(4月26日の新報、タイムスに同性愛者の差別撤廃運動で知られた東郷健の死亡記事が顔写真入りで報じられていた。)→2012年4月19日
岡留氏のブログに□東京高円寺で沖縄居酒屋「抱瓶」や「きよ香」など5店舗を経営して成功を収めた高橋淳子(本名=清)さんがなくなった。東京の自宅マンションの風呂場で発見されたという。死亡推定日は4月7日。高円寺の抱瓶グループは長男の貫太郎君に任せて、高橋さんは3年前から那覇市久茂地で、沖縄居酒屋「抱瓶」那覇店を経営していた。最近は元照明マンの仕事をしていた光太郎君が母親の片腕となり、親子で店を切り盛りしていた。死因は細かく聞いていないが、享年73歳だった。高橋さんの苦労人生からサクセスまでの人生は「ただ、誠を尽くして浮世を渡る」(日本社)という一冊の本にまとめられている。
筆者は高円寺の「抱瓶」にも何回か顔を出したことはあるが、高橋さんが沖縄に来てから本格的な付き合いが始まった。筆者が新宿の「ロフトプラスワン」に出演した時には長男の貫太郎君ともどもよく見に来ていたというので、沖縄での初対面以来、意気投合しての付き合いが始まった。何回も呑む機会があったが、自分の人生に自信と誇りを持っていたためか、頑固なところもあった。石垣島出身の高橋さんの早すぎた突然の死に合掌しておきたい、通夜・告別式は東京で済ませて、沖縄では「送る会」が4月19日午後5時より沖縄抱瓶2階で開かれる予定になっている。
『噂の眞相』左、2004年4月ー休刊記念別冊「追悼!噂の眞相」
2006年10月 サイゾー別冊『噂の眞相 闘論外伝 岡留安則VS12人の論客』インフォバーン
2012年6月16日、那覇市歴史博物館で高里鈴代さんのギャラリートーク「日本軍『慰安婦』と今」が午後2時から始まった。二部屋分の会場には大勢の来観者で溢れていた。ヤマトではこういう展示は中止に追い込まれているケースが多いが、さすがに沖縄戦(地上戦)を経ているところの土地柄である。カジノ知事や文部省の「沖縄戦抹殺」に抗してか皮肉にも参加者が多かった。
本日10時過ぎに那覇市歴史博物館へ「沖縄戦と日本軍『慰安婦』」を見に行く。狭い会場が大勢のマスコミ取材と、来観者でごった返していた。昨日の新報・タイムスは一面トップに「オスプレイ本島全域飛行」が躍っていた。新報には米側の報告書を又吉知事公室長に提出する防衛省の悪びれない態度の役人が写っていた。ドジョウ政権は静岡・山口両県にも提出するという。オスプレイの全国展開だ。学芸欄に安次嶺美代子「沖縄戦と日本軍「慰安婦』展に寄せて」、大城将保「沖縄戦 皇軍の思考」が載っている。
本日の新報・タイムスは一面トップに「オスプレイまた墜落」が躍っていた。新報・タイムスも最近、竹中労氏の流れを汲む佐野眞一氏や岡留安則氏を紙面に大きく登場させたりしている。そして、サラリーマン記者の捉えにくい社会の裏面や、政府の広報と化した通信社の垂れ流す政界情報に抗するという意味では両氏が適任ということだろう。まだ岡留氏はオスプレイに隠れている事実にふれているので例のごとく引用する。□国会では、参考人で呼ばれた石原都知事が尖閣買取問題で吠えまくりつつ、民主党執行部は大飯原発の長期にわたる再稼働を画策したり、何が何でも消費税増税を強行したり、国民の意志を無視した暴政が続いている。民主党の暴政が、自民党の復権を許すとなれば、この国の官僚主導の「官僚内閣制」は永遠に続くことになるだろう。もはや、消費税増税反対の小沢一郎派の強い結束に期待するしかない。嗚呼!というしかない、情けない永田町だ。
新報文化欄に目取真俊氏が「オスプレイ配備とは何か」を書いている。岡留氏もブログ6-15に書いている□防衛省は長い間、オスプレイの普天間基地への配備説を否定してきた。欠陥機との認識があったがゆえに、県民にひた隠しにしてきたといわざるを得ない。正式発表した途端に、フロリダでの墜落事故である。おそらく、沖縄県民でオスプレイ配備に賛成する人はいないはずだ。県民全体が怒り心頭というのが現実だろう。このまま、米国と防衛省がオスプレイの配備を強行すれば、沖縄は復帰40年前の怒りの島と化すだろう。消費税増税、原発再稼働、オスプレイ配備、この三点を争点に解散総選挙で民意を問うべき時期である。修正協議の行方がどうなろうとも、このままでは野田政権と自民党の談合政治が横行するファシズム政治でしかない。民主党解体、分裂、もはややむなし、だ。