2022年3月10日の新報に、第39回東恩納寛惇賞(琉球新報社主催、第一書房後援)に、日本近代史研究者の我部政男氏(83)=本部町=が決まった。専門は日本史学(近代日本政治史)。沖縄史料の基盤づくりと沖縄近現代史の研究などが評価された。我部氏は本部町生まれ。琉球大卒業後、東京教育大大学院博士課程修了。琉球大教授、山梨学院大教授などを経て現在は山梨学院大名誉教授、名桜大学客員研究員。早稲田大大学院や東京女子大大学院、慶応大、立教大、法政大などでも教壇に立った。琉球処分(琉球併合)や沖縄戦など沖縄近現代史に関する著作も多い。


2020年6月11日 『沖縄タイムス』我部政男「慰霊の日■追悼のあり方を考える<5>」

1988年1月ー我部政男『沖縄史料学の方法』新泉社
1988年2月、那覇市久茂地で我部教授に出会った。近くの喫茶店で本書を恵まれた。
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写真ー那覇市歴史資料室で我部政男氏と新城栄徳

2004年3月 安江孝司(研究代表者)『琉球列島における社会的、文化的ネットワークの形成と変容に関する総合的研究』我部政男「沖縄の記憶と意識」

2015年4月28日 左から三木健氏、仲程昌徳氏、新城栄徳、船橋治氏、伊佐眞一氏、我部政男氏

2016年3月9日 那覇市歴史博物館で、我部政男氏(左)と新城栄徳/1982年12月 比嘉政夫・我部政男編『女人政治考・霊の島々<佐喜真興英全集>』新泉社

2019年7月15日沖縄美ら島財団事務所ー左から我部政男氏、國吉貴奈さん、金城美奈子さん/我部政男氏、池宮城啓子さん



2015年3月26日ー27日 沖縄県立芸術大学 附属研究所 首里金城キャンパス3F小講堂「我部政男 特別講義26日『言論統制と沖縄戦』/27日『軍機保護法と内務省の沖縄統治』」


1961年12月 中野好夫『最後の沖縄県知事』文藝春秋新社〇大百科を生んだ平凡人ーわたしの家は、丹波篠山の出身だが、下中さんがまた、篠山のすぐ近くの今田村、というよりは、近年古丹波の名品として高い再認識があたえられるようになった立杭焼の本場、そこの産であり、しかも下中さんの家がその窯元の一つであったらしいのである。/〇ある肉親たちの畫廊ー人間というものの自己告白癖は、一種の悲しい業にも似たものでないかという氣もする。わたしなどずいぶん偽善者という悪名高い方だし、できるだけ自分は語らないつもりでいても、その口の下から自分をさらけ出してしまっている。そして後悔の種になる。要するに甘いのである。(略)戸籍上のいわゆる故郷は、いまでもあの「猪の出る」兵庫県丹波の篠山である。青山という小藩の家中であった。

1964年6月 『沖縄の島守 島田叡 親しきものの追憶から』島田叡氏事跡顕彰会/1972年3月 中野好夫『沖縄と私』時事通信社

1968年7月 中野好夫-編『沖縄問題を考える』太平出版社
1968年11月 『沖縄問題基本資料集』南方同胞援護会         
 編集スタッフ/南方同胞援護会編集委員ー責任者・吉田嗣延、委員・城間得栄、宮良長欣、河野忍、久保田芳郎、比嘉正詔 編集スタッフ/沖縄資料センター編集委員ー新崎盛暉、屋宜宣仁、我部政男、比屋根照夫
内容:一条約および外交文書 二日米共同声明等 三日米協議関係 四アメリカの沖縄統治関係 (政府の統治方針 基本法令関係 主要布告・布令・指令 アメリカ議会関係) 五日本の復帰施策関係 (政府の施策方針 基本対策 主要国内措置法 主要復興措置法 国会における沖縄復帰施策 政党の復帰施策方針) 六沖縄の復帰施策関係 (琉球政府の復帰施策 主要民立法措置 立法院の主要要請決議 各政党の復帰方針 復帰施策に関する要請等) 主要統計 沖縄県市町村区分図 軍用地現況図 アジアにおける米軍指揮系統図 在沖米陸軍指令図 沖縄戦後史年表


[新沖縄文学]我部政男
「義人謝花昇伝」について<エッセー>20号
近代における日中関係と沖縄問題<論文>21号
近代沖縄と天皇制<座談会>28号
夭折と苦悶の人ー佐喜真興英<論文>33号
沖縄戦記録<論文>36号
歴史的転換期における人物<論文>38号
沖縄戦後史と移民研究<エッセー>45号
憲法の周辺をめぐって<対談>48号
アイゼンハワー来沖請願デモ<論文>50号
季節はずれの巡礼Ⅰ<論文>62号


1985年6月『新沖縄文学』64号 <追悼特集=中野好夫と沖縄>

高橋実(共同通信)「中野好夫先生、琉球弧の旅」写真左から我部政男、中野好夫、新崎盛暉、高橋実ー竜郷の西郷隆盛流刑の地/新崎盛暉、我部政男、高橋実、中野好夫ー加計呂麻島の昇曙夢像
中野好夫年譜<資料>64号
アメリカにおける日本研究と沖縄㊤<シンポジウム>74号
アメリカにおける日本研究と沖縄㊦<シンポジウム>75号
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1979年10月 我部政男『明治国家と沖縄』三一書房
Ⅰ 沖縄近代史研究の歴史と現状ー琉球処分の歴史的意義と評価を中心にー
Ⅱ 明治政府の成立と琉球処分
Ⅲ 明治政府の沖縄統治機構の創設
Ⅳ 条約改正と沖縄問題ー井上外交の日清交渉を中心にー
Ⅴ 明治十年代の対清外交ー「琉球条約」の顛末をめぐってー
Ⅵ 明治初年の北方問題(覚え書)ー樺太・千島交換条約交渉ー
Ⅶ 自由民権期の沖縄論議ー『近事評論』の<沖縄観>を中心にー
Ⅷ 統合過程における国家と周辺地域ー血判誓約形成過程の政治的意義ー

1981年5月 我部政男『近代日本と沖縄』三一書房
第1部 近代沖縄の断面と諸相
Ⅰ 琉球処分の基調と統合
Ⅱ 謝花民権と国政再参加ー『義人謝花昇伝』復刊の今日的意義を中心にー
Ⅲ 大正期知識人の軌跡ー左喜真興英・その状況と課題ー
Ⅳ 沖縄戦関係文書についてー防衛庁戦史沖縄戦史料を中心にー
Ⅴ 戦後沖縄論ー土地闘争を中心にー
Ⅵ 六0年代復帰運動の展開 
第2部 明治国家と地方巡察使
Ⅰ 明治政権の再編・強化と地方巡察使
Ⅱ 地方巡察使復命書関係文書の史料学的考察
Ⅲ 尾崎三良・岩村通俊沖縄関係文書

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2013年6月24日