伊波普猷全集』全11巻(1974~76・平凡社)○沖縄学の父〉と言われる著者の、唯一最高の全集。古琉球の政治、琉球戯曲集、をなり神の島、日本文化の南漸、琉球語便覧等を収録。琉球の風が吹くいま、いよいよその価値は高い。加えて 麦門冬・末吉安恭との交流も示される。

第1巻: 古琉球 古琉球の政治  第2巻: 南島史考 : 琉球を中心としたる 孤島苦の琉球史  沖縄歴史物語 : 日本の縮図
第3巻: 校註琉球戯曲集  第4巻: 南島方言史攷 沖縄考  第5巻: をなり神の島 日本文化の南漸
第6巻: 琉球聖典おもろさうし選釈 : オモロに現はれたる古琉球の文化 校訂おもろさうし おもろ覚書 : 琉球古代社会の片影 おもろ論考
第7巻: 琉球人種論 琉球史の趨勢 琉球の五偉人 沖縄女性史 琉球古今記 琉球風俗史考
第8巻: 琉球戯曲辞典 琉球語便覧 言語論考
第9巻: 文学論考 民俗論考
第10巻: 図版(自作おもろ「飛行機」)嗚呼末吉(安恭)君! 眞境名(安興)君の思出 「ぺルリ提督琉球訪問記」序
第11巻: 琉球語大辞典 : 草稿 大辞典 年譜 著作目録 総索引 


南方熊楠(1867~1941)は明治、大正、昭和の3代にわたり、終生、野にあって人文・自然両分野の学の蘊奥をきわめた知的巨人である。和漢洋の古典に博通していた彼は、粘菌研究のかたわら、数百編の論文を発表、草創期の日本民俗学を先導した。本全集は雑誌掲載論文をすべて収録、さらに膨大な書簡、英文著述、未発表手稿など邦文論考約1,000編、英文論考約300編を集大成し、柳田国男が「日本人の可能性の極限」と讃えた巨人の全貌を明らかにする。随筆には 琉球在住の麦門冬・末吉安恭との交流も示される。

南方熊楠全集 全 12 巻 平凡社 1971~1975 年 ○ 第1巻 十二支考[雑誌『太陽』(博文館)1914~1923] 第2巻 南方閑話[坂本書店 1926]南方随筆[岡書院 1926]続南方随筆[岡書院 1926]*南方の著書の うち生前に刊行されたのはこの3冊のみである。 第3巻=雑誌論考Ⅰ[『東洋学芸雑誌』ほか雑誌 20 誌に掲載された論考] 第4巻=雑誌論考Ⅱ[『彗星』ほか雑誌 12 誌に掲載された論考] 第5巻=雑誌論考Ⅲ[『ドルメン』ほか雑誌7誌に掲載された論考] 第6巻=新聞随筆[『牟婁新報』ほか8紙の新聞及び『週刊朝日』に掲載された随筆と、未発表の随筆を収録] 第7巻=書簡Ⅰ[主として明治時代のもの。在米時代・神社合祀問題関係他] 第8巻=書簡Ⅱ[柳田国男、高木敏雄、その他民俗学関係の人々に宛てた書簡] 第9巻=書簡Ⅲ[第7・8巻収録以外の多方面に及ぶ書簡] 第 10 巻=英文論考・英訳方丈記・初期文集他 A Japanese Thoreau of twelfth century(英訳『方 丈記』) [ 『英国王立アジア協会雑誌』(1905)掲載 文末に鴨長明に関する2つの註釈あり。ロンドン大学総 長ディキンズとの共訳] The constellations of the far east(極東の星座) [ 『Nature』 (1893)掲 載] Footprints of Gods(神跡考) [『Notes and Queries』 (1900)掲載]他 別巻1=書簡補遺・論考補遺 The origin of the swallow-stone myth(英文『燕石考』) [草稿 1899? ~1903]他、補遺 別巻2=日記・年譜・著述目録・総索引

平凡社の歴史ー1914 下中弥三郎が自著の小百科事典「や、此は便利だ」の販売のため創立。
1927 「現代大衆文学全集」60巻の刊行開始。円本時代を築く。1928 「大百科事典」全28巻刊行を発表(1934年完結)。名実ともに「事典の平凡社」となる。
1945 戦時中の休業状態から再出発。「大百科事典」復刻、「社会科事典」「家庭科事典」「世界美術全集」「世界歴史事典」「児童百科事典」など刊行。
1954 創業40周年記念として「世界大百科事典」全32巻刊行を発表(1959年完結)。1961 「国民百科事典」刊行開始。空前の百科事典ブーム。1963 日本初の本格的グラフィック月刊誌「太陽」創刊。
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1964年11月ー平凡社『世界大百科事典』明石染人「沖縄ー工芸」
1969 初のオールカラー事典「アポロ百科事典」刊行。1972 「別冊 太陽」創刊。ムックの先駆けとなる。
1973~ 「南方熊楠全集」「中国の歴史」「中国石窟」シリーズ、「日本の野生植物」、新版「大百科事典」「世界大博物図鑑」「動物大百科」、「日本歴史地名大系」(刊行中)、「日本史大事典」など刊行。1993 文庫「平凡社ライブラリー」創刊。1997 デジタル百科「CD-ROM版 マルチメディア・マイペディア」発売。
1998 「CD-ROM版 世界大百科事典プロフェッショナル版」発売。「日本動物大百科」全11巻が完結。1999 「平凡社新書」創刊。
2001 「日本の野生植物」全7巻、「白川静著作集」全12巻が完結。2004 「日本歴史地名大系」本巻48巻が完結。白川静「新訂 字統」刊行。2007 改訂新版 世界大百科事典 刊行。

1928年 世界美術全集 平凡社 全 36冊




『ブリタニカ国際大百科事典』(ティビーエス・ブリタニカ1974年12月)の「百科事典」□初期の百科事典ーギリシャ・ローマ時代 初期キリスト教時代 ビザンチン圏 イスラム圏 中世後期とルネサンス期/近代・現代の百科事典ー十七世紀 十八世紀 フランス百科全書派 十九世紀 二十世紀/エンサイクロペディア・ブリタニカー草創期 第二期台1版とその補遺 第一四版 継続的改訂 第一五版/中国/日本ー古代~江戸時代 明治時代~現代

2001年5月ーウィキペディア日本語版発足。→ジミー・ウェールズとは、オンライン・フリー百科事典「ウィキペディア」の創始者として知られる経営者である。1966年8月7日、アメリカのアラバマ州ハントヴィル生まれ。現在、ウィキメディア財団の理事長を務めている。大学卒業後、ジミー・ウェールズはシカゴで先物オプション取引を行う企業シカゴ・オプションズ・アソシエーションに勤務していたが、1990年代半ばに独立してボーミス(Bomis)社を設立、ポータルサイトBomis.comの運営を開始した。ボーミスを運営するかたわらで、ジミー・ウェールズは「インターネット上でフリーな百科事典を提供する」という着想を得て、その構想をオンライン百科事典プロジェクト「ヌーペディア」(Nupedia)として結実させた。

□2005年4月30-東大阪の自宅で重たい冨山房の『日本家庭大百科事彙』(1927年12月)を見る。序文に下田次郎が「飛行機は一時間に数百哩を飛び、ラヂオは同時に数十万の家庭に音信を伝へ、印刷機は一分時に数千枚の新聞紙を刷り出し、写真は即座に数千哩外に電送される(略)文化国民として一般に用意されるべきは他方面の知識である。そしてその他方面の知識を便利に供給するものは、即ち百科事彙である」と書いている。アイヌを原始的な一種属と説明され、蟻の生態の図、貝類の図、徳川家康の図がある。官幣社の写真には沖縄の波上宮もある。育児、衣服、玩具、家庭電化、髪形は詳しく解説されている。また、西洋絵画の図版にはミケランジェロの天井画、ダビンチのモナリザ、ミレーの落穂ひろいが載っている。人相の解説は安元實発である。

2012 「ブリタニカ百科事典」が、現行の2010年度版を持って244年続いた書籍版の刊行をに幕を下ろすことを発表。ブリタニカのほか、アメリカを代表する「アメリカーナ百科事典」も2007年の改訂以来、書籍版の刊行を中断中。 日本で唯一の総合大百科事典は、書籍の形態で百科事典を刊行し続けている、「平凡社 改訂新版 世界大百科事典」だけとなりました。