2018年8月23日NHK沖縄

 [大弦小弦]子どものころ読んだ絵本というのは、記憶の深いところに… 沖縄タイムス 2018年7月22日
 子どものころ読んだ絵本というのは、記憶の深いところに保存され、簡単には失われない。県立博物館・美術館で開かれている個展「儀間比呂志の世界」で絵本「かえるのつなひき」を見て実感した
▼題名には覚えがないのに、作中のカエル「ちゃすがやー」のせりふや、彼らが1列になって踊る姿に懐かしさを覚えた。絵本の存在は、儀間さんの作品が世代を超えて支持される理由の一つ
▼戦争をテーマにした作品だけでなく、民話風な題材でも、弱い者や民衆に寄り添う確固としたメッセージを込めた。例えば「ふなひき太良」は台風被害で苦しむ島の人々に理不尽な要求をする役人を、主人公の太良が懲らしめる話だ
▼展示会は昨年4月に亡くなった儀間さんの版画を中心に、100号サイズの油彩画やレリーフなど約90点を集めた。大胆な構図が見る者に迫ってくる沖縄戦を描いた版画、鮮やかな色彩が美しい琉球舞踊を描く手彩色の作品
▼大阪で、故郷沖縄の人々や、伝統文化の魅力を表現しようと奮闘し続けたエネルギーが会場中に満ちている。展示作からは版木に押し付けられたバレンの圧までが伝わる
▼「ふなひき太良」の後書きで「いまでも沖縄の人たちは、自分たちのほんとうの生活をかちとるために、たたかい続けています」と書く。力強い作品群は私たちにパワーを与えてくれる。(玉城淳)

2018年7月19日 NHK沖縄放送局 「沖縄 NEWS WEB 版画家儀間比呂志さんの作品」那覇市出身の儀間比呂志さんは、沖縄戦の体験者の話をもとにした作品や、沖縄の風土や歴史に根ざした作品を描き続け、去年、94歳で亡くなりました。展示会は儀間さんを追悼し、多くの人に作品について知ってもらおうと、那覇市の県立博物館・美術館で開かれています。このうちガマの中で旧日本軍の兵士が銃剣で住民を突き刺す瞬間を描いた作品は、「皇軍は勇戦した」というタイトルが付けられていて、旧日本軍への痛烈な皮肉が込められています。
また、絵本作家としても活動した儀間さんの代表作、「ふなひき太良」の原画17点も展示されていて、飢きんに苦しむ村人から年貢をとろうとする薩摩の役人を追い払う様子が生き生きと描かれています。県立博物館・美術館の豊見山愛主任学芸員は、「儀間比呂志の多才で多作な表現に触れて頂ける展覧会なので、多くの人に見てもらいたいです」と話していました。


2018年7月18日 写真左から新城栄徳、儀間にデザインを依頼した皿を持つ早野充氏、豊見山愛さん(撮影・町田恵美さん)/皿の原画(所蔵・ギャラリー象)〇早野氏は沖縄都ホテル総料理長のときペリー料理再現に取り組んだ。経緯は1985年11月『南島』に「ペリー艦隊の招待料理―その再現経過― 桑原守也 早野充 」として記されている。

2018年7月13日 RBCニュース「儀間比呂志展始まる」
2018年7月13日 OTV ニュース「儀間比呂志展」(儀間比呂志の生前の動画)

2018年07月13日(金) ~ 2019年01月06日(日) 沖縄県立博物館・美術館 コレクション展「儀間比呂志の世界展 」
儀間比呂志(ぎま ひろし1923-2017)は、沖縄の画家、版画家であり、絵本作家です。郷土を愛する情熱的なメッセージを込めた絵本は、沖縄の民衆に根ざした歴史を伝え、多くの子どもたちの心を虜にしました。人物描写を得意とする儀間作品の特徴は、南方系の女性を太く黒い線で描いた油絵や、沖縄の美しい風土、その美しさを奪った戦争などをテーマにした木版画で、1970年以降は版画に専念します。
本展は、2017年に他界した儀間比呂志による油絵、木版画を中心とした追悼展です。

1995年9月 『島を出た民の戦争体験集』沖縄県人会兵庫本部/2017年5月『榕樹』第426号


山田薫氏、儀間進氏、山田聡氏/謝花聡恵さん、玉那覇英人氏、富原圭子さん

喜友名ひとみさん、新川明氏、儀間進氏/儀間進氏、山田和子さん、渡口彦邦氏

写真左から田名真之氏、儀間進氏、新川明氏、平良京子さん

儀間進氏と田名真之氏/山内栄氏


儀間ファミリーと池原盛浩氏(右)/儀間ファミリーと田名真之氏(左)

儀間進氏、喜久村徳男氏/兄・比呂志の遺影の前で儀間進氏



2018-7-14『沖縄タイムス』「沖縄を彫った版画家 儀間比呂志さん追悼展開幕 写真ー生前の儀間さんと親交のあった山内栄氏」

2018-7-14『琉球新報』

原爆の図 丸木美術館「追悼・儀間比呂志展」

2018年8月15日『埼玉新聞』「儀間比呂志 沖縄を描き続けた版画家 丸木美術館(東松山)」

2018年8月18日『毎日新聞』「版画で伝える沖縄戦 儀間比呂志さん追悼展」/8月21日『沖縄タイムス』「埼玉丸木美術館で儀間比呂志展」


大濱聡2020-6-26

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左から古謝景進氏、儀間比呂志さん


 1987年8月  大阪人権博物館「平和の願いを風にのせてー儀間比呂志版画展『沖縄戦』、金城実彫刻展『土の笑い』」

2000年9月ー『ヤマトゥのなかのウチナー(沖縄)』大阪人権博物館□儀間版画も多用されている。



1971年10月 茨木憲・儀間比呂志 絵『鮫どんとキジムナー 沖縄の昔話』平凡社
前に島袋和幸さんから、「飛び安里」を全国に紹介した宮里良保の後輩、佐久川恵一氏のことを聞いたことがある。弟が茨木憲(恵輝)である。

1956年11月ー茨木憲『昭和の新劇』淡路書房

1989年3月ー佐久川恵一『裸足社晩春』/1991年6月ー佐久川恵一『幾山河』
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1982年8月24日『琉球新報』茨木憲「秋田雨雀と沖縄ー『雨雀日記』から」
あきたうじゃく【秋田雨雀】 1883‐1962(明治16‐昭和37)
劇作家,小説家,童話作家。本名徳三。青森県生れ。1907年早稲田大学英文科卒業。小説家として出発し,小山内薫の《新思潮》記者となり,《紀念会前夜》(1909),《第一の暁》などで劇作家として認められた。13年島村抱月の芸術座創立に参画,翌年沢田正二郎らと脱退して美術劇場を組織したが経営に失敗。失意の時期エスペラント,インド哲学に打ち込み,童話創作を試みつつ社会主義に傾く。20年には戯曲《国境の夜》を発表し,21年日本社会主義同盟に加入,翌年先駆座を結成。 (コトバンク)


写真左より、小林威芳氏、藤子さん(大阪市・現代中国芸術センター)、諸見里政子さん、宮城茂敏氏、豊見山愛さん