ヤマタノオロチ眠るハシカンボクの鍵穴
雄綱雌綱を結ぶ月は飛龍の眼
昇竜の江戸上り洗濯機の渦
どんどん渦巻く昇龍の若太陽

2015年12月 『地球の音符 豊里友行句集』沖縄書房

2016年6月18日『東京新聞』「沖縄の俳人 基地の島直視 豊里友行『いま怒らなければ いつ怒るのか』」

○2011年8月21日の「とよチャンネル」(豊里友行)で本書についてふれている□『漂う島とまる水』は、砂守勝巳の写真集だ。父がある日を境にぷっつりといなくなってしまった。本書はその父を探す旅だ。沖縄、奄美、マニラを辿る彼の写真文体は、砂守勝巳マジックと言いたい。父を探しだして行くイメージの足跡が強力な文脈を持っている。『オキナワン・シャウト』(砂守勝巳)のルポルタージュを写真集にした長い期間があるせいか写真構成が熟成している。土門拳賞受賞後の第一作『オキナワ紀聞』(砂守勝巳)は短編小説みたい。写真関係では不評だったと記憶しているがよく沖縄を取り込んだ取材と撮影は、写真の文体と文脈を開拓した功績にただ頭が下がる。私も自分のストーリーを語るべき写真の文体と文脈を模索している。それには写真という時の果実の点を線に結び付ける明確な意思が必要だ。余談だが砂守勝巳さんの娘さんが、現在、砂守勝巳さんの美術館を作るためにブログやTwitterで活動中なので多くの方がぜひ応援してください!

写真/1995年8月 砂守勝巳『漂う島とまる水 OKINAWA AMAMI MANIRA』クレオ
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名瀬港
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吉原の路地裏
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十貫瀬
○砂守氏は、1951年奄美から沖縄に来ていた母と、米軍属でエンジニアのフィリピン人を父として浦添で生まれる。やがて父は失職しマニラへ帰郷。砂守氏は奄美から大阪に出てプロボクサー「サベロン砂守」としてデビュ。1975年に大阪写真専門学院を卒業。その経歴ゆえ本書にはボクサー平仲明信の父が写っている。P.80に父の写真がある。


2013年5月 市民ギャラリーで沖縄の写真家・俳人の豊里友行氏と戸澤裕司 氏

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十貫瀬