佐久田繁(1926年~2005年4月12日)


集英社文庫『沖縄 だれにも書かれたくなかった戦後史』の索引に佐久田繁が無い。また宜保俊夫のライバル又吉世喜(スター)は正喜となっている。沖縄に於ける雑誌ジャーナリストの先駆者が索引に無いのは不満である。この戦後史に登場する人物の大概はすでに『月刊沖縄』で取り上げている。1961年11月号に「縄張り”暁に死す”」でスターの西原飛行場事件、1963年3月号では「殺し屋に殺された暴力団」と題し又吉世喜や喜舎場朝信の顔写真を掲載している。その暴力団のアジトは月刊沖縄社の隣り近所に位置する場所である。同年5月号には「嵐を呼ぶ男ー熊谷優」に長嶋茂雄と石原裕次郎にかこまれた熊谷優の写真が掲載されている。


2013年8月9日『琉球新報』仲村顕「眠れる先人たちー高良一」

高良一□1954年9月 亀川恵信(平良市下里571)『宮古先覚者の面影』池間利秀、義武息廣、佐久田繁「高良一氏半生記」-1924年、大阪実業学校入学。25年中退し早稲田法制学校入学。1927年、徴兵検査で宮古へ帰郷。大阪谷水力伸鋤動社入社。1928年、大阪沖縄県人会運動に参加。1931年、関西沖縄県人会連合会理事。1934年、月刊『礦源社』発行。国粋大衆党此花区第二班遊説部長。1936年、時事写真同盟通信社にニュース記者。波之上丸処女航海の試乗招待で帰沖。本部町政刷新運動に参加。公聲新聞記者。1941年、本部町産興商事組合長。映画演劇「みなと館」経営。本部、那覇、与論間の海運事業「合同運輸会社」設立。那覇で「昭和織物工場」設営。

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『現代沖縄』表紙ー神村真紀子/『月刊沖縄』表紙は真喜屋優


1962年10月『月刊沖縄』渡名喜守定「ああ!壮烈 親泊大佐ー日本の敗戦をはぢて 一家ことごとく自決し果てた最後の武人」


1962年11月『月刊沖縄』「故郷の空に散った伊舎堂特攻隊長」


1962年12月『月刊沖縄』「日本一の中隊長 大舛大尉」


1963年3月『月刊沖縄』「殺し屋に殺された暴力団」


1963年8月『月刊沖縄』「座談会ー今だから話そう/逃げようとした牛島中将」□宮城嗣吉(琉球映画協会会長)ー沖縄戦だが、私はみんなが見る沖縄戦とは見方がちがう。とにかく真相はヤミだ。というのは、沖縄の進駐当時まず慰安所の経営から手をかけた。軍規が乱れていた証拠だねあれは。日本人は我々が小さなとき、武士道とは”死ぬ事と見つけたり″と教え、兵隊では”忠君愛国"などをたたきこみ、組織的に訓練された軍隊だった。ところがどうだ。首里を中心として玉砕すべきだったものが、新垣、安謝から安里へ逃げたうえに陥落寸前に、撃てる銃を破壊したんだったな。陸軍は卑怯だったな。海軍はあんた、7,800名から一割しか生きていない。つかえる銃があるならば、最後まで闘うべきではなかったか、と思うね(略)何はともあれ、牛島中将、長参謀も卑怯だよ。住民が逃げかくれて安全だと思っている壕を占領しようとして、住民を壕から追い出したのだからね。

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1981年2月『青い海』「出版王国 沖縄のいまむかし」(座談会・佐久田繁、仲程正吉、桑高英彦、太田良博、津野創一)


1963年5月『月刊沖縄』「辻の女軍応召す」


1963年7月『月刊沖縄』「売春天国におどる男たち」

○1961年1月『オキナワグラフ』「コザの迎賓館ープリンスホテル(熊谷優 経営)」



1965年6月『月刊沖縄』「わたしたちはガス実験台に使われた!!」

調理師であった父の数少ない蔵書に、月刊沖縄社が1966年に発行した田島清郷『琉球料理』があった。同年には『乗用車への招待』も発行している。前出の料理本は一般向きでないため1975年に渡口初美の『実用・琉球料理』が発行されている。私が佐久田さんを知ったのは、久茂地の琉球書院で店主の大城精徳さんから紹介されたのが最初の出会いである。このころは青い海出版社や琉球文化社によく出入りしていたから月刊沖縄社はめったに行かなかった。





1953年4月『沖縄朝日新聞』に掲載された出版案内。柳宗悦が「労作の刊行に寄せて」を書いている。

1954年11月 沖縄朝日新聞社『沖縄大観』日本通信社

そのうち青い海出版社が休業すると月刊沖縄社にも出入りするようになった。『沖縄大観』を月刊沖縄社で復刻するときは、私が数十年前に神保町の古書店・長門屋で買った原本(箱入、地図付き)を佐久田さんの事務所の『仲原善忠全集』と交換させられた。また『琉球王国の歴史』に、私は雪舟が描いてその弟子が模写した「琉球人像」の写真を提供したこともある。1996年の年賀状には沖縄フリージーャナリスト会議として「これから私の代表作をつくります。アテにせず待っていて下さい。あなたはいい個性、持ってます。うらやましい」と末尾にある。

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月刊沖縄社編集部」で左から、佐久田繁氏、新城栄徳